PR

世界に誇る高速鉄道「新幹線」の技術の進化

JR北海道

かつての特急「こだま」は世界最速の特急列車で、東京大阪間を最速6時間48分で結んでいたが、現在は最速2時間半を切っている。その高速化の理由である新幹線の技術の進化について、その歴史と現代の技術がどうなっているのか調べました。

 まず、新幹線の構造について、新幹線は航空機と高速船の技術を応用して作られました。

1964年に開業した東海道新幹線ですが、初代の0系新幹線にはモノコック構造と呼ばれる、骨組みに外板をつけるのではなく、外板そのものが骨組みとしての強度を持つ高速船や航空機に利用される構造と、空気抵抗を最小限に抑えるためDC-8航空機の機首を改良、排障器部分には強度の高い船用の鋼を利用していました。

 初期の新幹線の高速化は、高度経済成長期~バブル経済の時期の日本の技術の向上が顕著に表れています。新幹線が走り始めてから20年後には2代目の新幹線である100系新幹線が登場しています。100系新幹線は、初代0系新幹線で課題になった乗り心地と乗車人員の増加を改善するために、車体の軽量化と世界で初めての2階建て高速鉄道車両の開発に成功しています。これは、コルゲートステンレス構造と呼ばれるステンレス板に強度を高めるコルゲートという溝を作る構造を利用したうえで、空気抵抗を減らすために先頭を尖らせ、これにより230km/hの高速走行に加え、乗り心地の向上も果たしています。さらにその5年後にはJR東海が300系新幹線を投入。VVVFインバーター制御(可変電圧可変周波数インバーター制御)で機械の小型化と省エネ、出力向上を果たし、時速270km/hでの走行を可能にしました。

 ここからは最近の新幹線技術について述べていきます。最近の新幹線技術は「300km/hでの運行」「車体傾斜装置の登場」が大きな功績となっています。現在の新幹線技術の向上に最も貢献したといえる車両、500系新幹線は1997年に登場しました。500系新幹線は今までの車両とは大きく異なる点があり、それは設計最高速度360km/h、運転最高速度300km/hの実現です。これは鉄輪式鉄道で世界初のことであり、加速の速さは速度種別U49という現在の新幹線の最新鋭であるN700SのU42を大きく上回っています。東海道新幹線内では270km/hに抑えられたものの、これによって東京~新大阪間は最速2時間23分であり、新幹線開業当時からの 目標である2時間半を切ることができました。2007年からはN700系シリーズの台頭によって東海道新幹線全体の高速化が始まりました。2007年に登場したN700系は実質現在の新幹線の完成系であり、最新のN700Sはフルモデルチェンジがなされてるとはいえ、形は先頭形状を除いてN700系のままなのでこれが完成系といえるでしょう。N700系は性能としては500系新幹線とほとんど変わらないものの、先頭形状の改善によって着席定員の向上を果たしています。2013年より登場したN700Aは形状はそのまま、車体傾斜装置と呼ばれるカーブを曲がるときに空気ばねを利用して車体を傾ける装置であり、これで285km/hでの走行を可能にしました。2020年より登場した最新鋭のN700Sではフルモデルチェンジを行い、最高速度360km/hでの走行を可能としました。現在の通常走行では東海道新幹線内では時速285km/hでの走行でとどまっていますが今後高速化が行われる予定です。

 新幹線の技術向上によって60年で220km/hから360km/hまでの走行へ高速化や乗車定員の向上も果たすことができています。車輪の関係上最高速度は360km/hより伸びることはないようですが、東海道新幹線での300km/hでの走行などまだまだ成長がみられそうです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました